SOLITUDE=日本語にすれば、孤独。
中森明菜さんの1985年にリリースされた13枚目のシングル曲のタイトルです。
もともとリアルタイムで中森明菜さんの大ファンであった父親の影響もあり、彼女の曲はアルバム曲やカップリングを含めて一度も聞いたことのないものはないと思います。そんな彼女の曲の中で一番好きな曲を選べと言われたら、SOLITUDEを選びます。
湯川れい子さんの書く、考えれば考えるほどわからなくなる歌詞に、タケカワユキヒデさんのつけたエキゾチックなメロディ。
「25階の非常口で風に吹かれて爪を切る」なんていうわけのわからない状況を歌われても、なぜかしっくりきてしまう説得力。リリース当時20歳、今のわたしより5つも歳下とは到底思えない憂い感。同学年で同年デビューの小泉今日子さんがちょうど同じ頃に「なんてったってアイドル」を歌っていたと思うと、頭が痛くなるような温度差です。
この頃の彼女の曲は、全体的に男に左右されない強い女みたいなイメージの曲が多いけれど、実際の彼女は数年後に彼氏の家で手首を切ってしまうような繊細な壊れやすい女性なのも、なんだか皮肉なような、妙な気持ちにさせられてしまいます。
この曲を聞くとなぜか曲の中に全く出てこないのに、煙草が思い浮かびます。というかむしろ吸いたくなります。夜にベランダでタバコを吸いながらこの曲を聴くと、自分がさも陰のあるミステリアス美女になった気分になれるのでおすすめです。
煙草というのは、なんとも矛盾に溢れているものです。現代においては身体にとって悪だと判明しているものであるにもかかわらず、昭和の時代ほどではないにしても一種のイキりとして、かっこいいアイテムとして吸い始める者が0になることはないわけです。
かくいうわたしも煙草を吸いますが、吸い始めたきっかけは大学でサークルの会議の時、たまたまわたしのいた部署のメンバーに喫煙者が多く、休憩でみんな喫煙所に行ってしまうのでついて行くうち、気づいたら吸っていました。なのでわたしの喫煙動機に「かっこいい」は特にありません。当時好きな男が煙草を吸っていたので、共通点を持っていたかったことも大きかったかもしれません。
あの時より大人になって、いまだにわたしは一人でも煙草を吸っています。しかも別に丸一日吸わなくても別に平気なタイプなのに、です。
一人で煙草を吸う時間は、孤独に自分と静かに向き合える、個人的にすごく好きな時間です。地元のお寺を眺めながら、少し酔った時に店の外やベランダに出てぼんやり考え事をしながら。
ですが同時に、会社では喫煙所にいる人から順に後輩を覚えていったり、普段なかなか話せない先輩と話すことができる時間だったり、人との繋がりを生むものでもあります。
好きな男が彼女に煙草をやめてと言われて、外で内緒で吸うときにわたしがあげるから、少しでも長く一緒にいたくて普段は吸わないロングの煙草を買う些細な抵抗をしたこともありました。
これもまた、矛盾ですね。いつだかどこかで、人との関わりを失うこと=孤独は1日に煙草を15本吸うのと同じくらい死亡リスクを高めるという記事を見ました。
私は今日も煙草を8本吸いながら人と関わり、7本吸いながら1人でぼんやり考え事をしながら、死に向かって生きていこうと思います。